理念


 江口数学教室は社会的企業でありたい。ユニクロを展開するファーストリテイリングが、バングラデシュで貧困層への事業融資を手がけるグラミン銀行と提携した。貧困、教育などの社会的課題を服の事業を通じて解決を目指す。社会問題をビジネスの手法で解決する活動や集団を社会的企業や社会事業と呼ぶ。
 舞台は途上国だけではない。国内でも子育て支援や地域振興など、大小8000の会社や団体が社会事業を手がけていると経済産業省の報告にある。英国の事業者数は5万を超す。日本でも市場は10倍に膨らむと産業省は見込む。貧困や格差をどう解決するか。補助や保護だけでなく貧しい人たちにも教育を施し稼ぐ力をつけてもらう。未来への展望を開く手段として社会的企業が期待を集め、各国で活動が盛んになってきた。社会問題は政府や自治体の領域と決め込んだ姿勢では大きな流れを見逃す。
 我が国の教育には大きな格差がある。天然資源が少なく、少子高齢化の進むわが国が国際的な競争に勝ち国家として成長し続けるには質の高い教育が不可欠であろう。いま、政府が目先の景気対策に多額の金をつぎ込んでいるが、出生率を上げ、世代のリーダーを育成する。これこそ長期的な経済対策ではないか。
 教育は如何に不平等を克服するかが課題である。高卒や中卒の人の中にも本人が気づかないだけで数学や物理、化学、医学、文学、政治、経済などの才能を持った人たちが多くいたはずである。これより大きな損失はない。地域や所得などにかかわらず、すべての人に質の高い教育を施すのは難しい。まず、教育こそ経済対策であるということをすべての国民が認識しなければならない。
 儲けと社会問題の解決の両立は難しい。だからこそ挑戦したい。月謝6000円の数学教室だけでは生活できず、朝は新聞配達、清掃のバイトをして昼から塾の仕事をして生活している。休日など無く睡眠時間は人より少ない。
 ここでのやり方が私なりの解である。お金をかけずにレベルの高い教育ができる。私の努力がいつか実を結び私のやり方が認知され、世の中の数学教育を変えたい。



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